【現役学生の悩みの一助】「氷の城壁」レビュー【独身弱男が語る】

コラム・独り言

お疲れ様です。アッキーです。

 

今回はマンガ「氷の城壁」のレビューだ。

 

あらすじとか特に不要だと思うので、簡易的に書いていこうと思う。

 

(結論)「氷の城壁」は青春マンガのフリをした視野狭窄への軽めのカウンセリング

 

この本を読んだ時の俺の感想はまさしくこれだった。

 

学生に対しては「実は人って色々考えてるんだよ」と語っているように思えた。

また、我々おっさんに対しては「あんたらも昔大変だったの忘れてない?」と言っているように受け取れた。

 

要は「みんな、日常にせいいっぱいで視野が狭くなってないですか?」と言っているように感じた、という話。

 

・・・作者がそこまで考えているかは不明だが。

 

読むべき人

 

この本を読むべき人種は下記

・学生(小学校~大学生問わず)

・大人(特に20代~40代代前半)

・人間関係に悩んでいる人

 

要は「視野が狭くなりがちな人」は読んだ方がいい。

 

※40代後半以降を省いた理由は「いろいろ忙しい」「人格形成が手遅れ」「人格者でないと40代後半からは変わらない」からだ。俺の完全な偏見だが。

 

・学生について

未成年は社会的責任能力の低さから、特に世界を制限されやすく、「学校」「家庭」「所属する外部コミュニティ」に限定されてしまう。

 

「いやいや、今はSNSとかでもつながれるしそんなに狭くない」と思うかもしれない。

 

気持ちはよくわかる。しかしSNSは「利用者の利用時間を増加させる」ことで収益を稼ぐ。

その収益構造上「利用者に適切なものを常にオススメする」ため「自分が興味ある情報」しか基本的には表示されない=「視野を狭める」につながる。

 

「○○ではこうだった」「○○はこういう考え方」といったものは限られた自分の世界の経験則に基づいてしまいがち。

「自分の思い込み」が最も強く出やすいのは学生だと思う。

 

だからオススメしたい。

 

・大人(特に20代~40代代前半)

社会にでていろんな経験を経て世界が大きく広がったと思う。

職場、家庭、様々なコミュニティで責任や役割が与えられ、数多くの失敗と成功を経験していく。

 

なので、今一度、初心に戻ってほしい。

自分の思考は本当にそうなのか。

 

上司の注意指摘をされて凹んだ時、指摘した部下が鬱になってしまった時。

よくわからんコミュニケーションのテクニックを調べて実践する前にまず相手、周りがどう思っているのか、自分の思い込みに過ぎないのか。

 

だからオススメしたい。

 

 

・人間関係に悩んでいる人

 

年齢問わず、人間関係に悩んでいる人。

・なにを喋って良いかわからない。

・なにを考えているかわからない。

・どうやって考えたらよいかわからない

 

多分、この本に出てくるキャラクター全員に共感できるハズ。

 

だからオススメしたい。

 

 

この本の見どころや気づいたこと

 

一言でいうと、「中学でトラウマをもった高校生の心理状態の解像度が非常に高い」こと。

 

日常で何気なく友人と話した内容が実は地雷だったことに気づいたり、態度や発言を悔いたり。

価値観が違い過ぎる相手とのコミュニケーションに四苦八苦したり。

 

友人へのアドバイスは大きなお世話なのか、を葛藤したり。

 

作者は「高校生活を何回か経験したのか」と思えるくらい、悩み事や思考に関しての解像度が高い。

 

学生にとっては日常の悩みを別の視点で見る機会の一助になるし、おっさんにとっては「昔、これで悩んだな」と思い返すことができる。

 

自分の発言を一番気にしているのは「自分」

自分の過去の発言を思い出して悶絶することはよくある。

 

「あの時なんであんなこと言ったんだろう」「思い出すだけで死にたくなる」「謝りたい」なんて考えたことはあるだろう。

 

俺も良くある。

今も時々夢にでるくらい気にしている。

 

では逆に。

 

過去に知り合い、友人に言われて傷ついた発言、今でも明確に思い出せる発言はあるだろうか?

 

俺は五本指に収まるくらいしかない。

個人差はあると思う。

 

けど、自分自身は対して覚えていないのだ。

きっと、自分の過去の発言を相手がいつまでも覚えていることは少ないと思う。

 

そんな感じのシーンが分かりやすくマンガ内では描かれる。

 

自分の汚い感情に向き合ってる。

 

自分の好きな人が他人と会話していて嫉妬したり、嫌われるのが怖くてへらへらしたり。

そんな自分を嫌いになったり、隙になったり。

 

自分の汚い感情に向き合い、否定も肯定もせず、ただ受け入れる。

 

いや俺が高校生の時にはこんなことできんわ。

流石にここはちょっと現実離れしてるな、と思った。

 

けど、自分の感情の受け入れ方の一助になると思う。

 

 

普通って努力しないとなれない。

 

マンガの趣旨からは少し逸れるが感じたこと。

 

このマンガは基本的にはリア充、陽キャ界隈の視点。

基本的には全部の学校行事には全力だし、部活動も全力。

 

陰キャの女の子が主人公だが、中盤からは積極的に行事にも参加し始める。

「なんでも楽しむ」「進んで取り組む」「容姿を気にする」「相手のことを気遣う」「前向きになる」

やっぱり、こういうことができないとだめなんだな、と。

 

俺は学生生活はゲームとカードゲームに命を懸けていたので、全くそういうことはしてこなかった。

 

ただ、戻れるのであれば積極的に楽しんで青春を謳歌したほうがよかったのかな、と三十路になった今ならわかる。

 

そして三十路独身弱者男性になった今、結婚もできず非常に焦っている。

最近、出産を迎えた友人と話したのだが「普通の家庭を築き上げる」というのはかなり努力をしないといけないのだなと感じた。

 

人間関係に悩める、自分に悩める人に向けたマンガ

一般的には「青春ラブコメ」に分類されているマンガだと思う。

本来はキャラクターの気持ちのすれ違いやお互いの感情のぶつけ合いを楽しむものだと思う。

 

ただ、ひねくれたおっさんである俺の視点から見ると「高校生が悩む人間関係や自分の気持ちの整理の仕方の処方箋」のように感じている。

 

 

体も心も成長中で急に世界が広がる高校生。

いろいろ悩むこともあると思うが、そんな人の心を軽くするマンガだと思う。

もし、悩んでいて誰にも相談できなかったりもやもやしていたらぜひ一回読んでみてほしい。

 

氷の城壁(1)

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